金木犀の奏鳴曲(ソナタ)

詩月は元ヴァイオリンの師匠リリリィの生前、小百合の父親に会ったことがある。

詩月がリリィに勧められ、街頭演奏を始めた頃だった。

背が高く掘りの深い顔をした人で、リリィが「彼はオーストリア人だ」と紹介した。

小百合の母、鈴子がウィーンに1年の短期留学していた時に、知り合って交際を経て結婚したそうだ。

詩月は小百合のチャキチャキした物言いや性格は、鈴子よりも父親似のように思う。