金木犀の奏鳴曲(ソナタ)

調律師によってピアノの音は管理され、調律師によって生きた音に蘇る。

万全の音にするのは当然。

ピアニストとして、自分の演奏するピアノは万全以上の状態で演奏したい。

工房で実践的な技術を学び、調律師の職業専門学校では理論や知識を学ぶ。

学校には、オーストリア中のピアノ調律師見習いが集まる。

工房で給料を頂きながら、調律師の実践的な技術を学べるのは有難い。

だからこそ、こちらも真剣だし、教えてくれる工房側も厳しい。

学生だから学業もあると、甘いことは言っていられない。

最初に、アポイントを取り工房を訪ねた時、無茶苦茶な条件を提示した。

「エリザベート王立国際音楽コンクールのヴァイオン部門で入賞したら調律を教えてください」

調律を学びたいために、コンクールに挑戦する自分のモチベーションを高め言い訳ができないようにするために、自分に条件を課した。