ミッドナイト・サンシャイン




ことの発端は、とある春の夜。



明日買う予定の問題集の代金を準備していたら、ちょっと小銭が足りないことに気づいた。




「うーん……お釣りが出るのはよくないよねえ」




ちらりと時計を見れば、今は夜9時。今外に出ても、深夜徘徊で補導されることはない時間だ。




「……よし」




それならば、コンビニでプリンでも買って、お釣りをゲットしてこよう。



思い立ったが吉日とばかりに適当なパーカーを羽織り、千円札をポケットに突っ込む。



コンビニは近くだし、さっと行ってさっと帰ってこよう。




「いってきまーす」




スマホ片手に、マンションを飛び出して。



エレベーターでも誰とも会わず、私は外へ駆け出した。



――「表」が眠った瞬間に危険な「裏社会」の巣窟へと変貌する、夜の街へ。