春は眩しくて、届かない



プリン。
ロールケーキ。
いちごサンド。



「鈴野って絶対甘党だよな」



「え、なんで」



「顔」



「失礼なんだけど」



思わず笑うと、
柏木くんも小さく笑った。



「どうしよっかな……」と悩んでいる横で、
柏木くんは何気なく棚を見ていた。



そのあと、
迷いなくひとつ手に取る。



「……これだろ?」



差し出されたのは、
丸いシュークリームだった。



「え」



「好きそう」



「またそれ?」



思わず吹き出してしまった。



「なんでそんな決めつけるの」



「なんとなく」



でも、
その“なんとなく”が嬉しい。


自分のことを考えて選んでくれた、
その事実だけで、
胸の奥がじんわり熱くなる。



「……じゃあこれにする」



受け取ると、
柏木くんは満足そうに「ん」とだけ返した。


その横顔を見ながら、
陽奈は小さく息を飲む。