「あー……忘れた」 近くの男子とのやり取りにも、 特別な空気なんて何もない。 平然としている。 まるで、 誰かに好きだと言われることが、 日常の一部みたいに。 その姿を見ながら、 陽奈はそっと視線を落とした。 ——わたしだけなんだ。 こんなに、 ひとつひとつに振り回されてるの。