春は眩しくて、届かない




「あー……忘れた」



近くの男子とのやり取りにも、
特別な空気なんて何もない。


平然としている。


まるで、
誰かに好きだと言われることが、
日常の一部みたいに。


その姿を見ながら、
陽奈はそっと視線を落とした。



——わたしだけなんだ。



こんなに、
ひとつひとつに振り回されてるの。