春は眩しくて、届かない



昼休みになって少しした頃、教室の後ろのドアからりのんが顔を覗かせた。



「ひな!」



陽奈がすぐに気づいて手を振る。


りのんは少しだけ困ったように笑いながら、教室の中へ入ってきた。



「ごめん!昼休み先生に呼ばれちゃって、今日いつものところ行けない!」



「え、そうなの?」



「うん……多分昼休み終わるくらいまでかかるかも」



申し訳なさそうに言うりのんに、陽奈はすぐ笑った。



「そっか!じゃあ今日は別で食べよっか!」



「……ごめんね」



「全然仕方ないしいいって!」



その明るさに、りのんも少し安心したみたいに笑う。



「またあとでね」



「うん、いってらっしゃい」



りのんが教室を出ていく。


その背中を見送ったあと、
陽奈は自分の席でお弁当をひらいた。