春は眩しくて、届かない




——でももし、わたしが恋をしたら。



りのんは、どんな顔をするんだろう。


ふとそんなことを考えて、陽奈は窓の外へ視線を向ける。


春の光が、ガラス越しに揺れていた。



「ひな?」



りのんの声に、陽奈ははっとする。



「ん、なんでもない!」



笑って誤魔化しながらも、頭の片隅にはその考えが残ったままだった。


もしわたしに好きな人ができたら。


放課後に、その人の話ばかりするようになったら。


“いつもの場所”より、別の場所へ行くことが増えたら。


りのんは変わらず笑ってくれるんだろうか。


「応援するよ」って、優しく言う気がする。


りのんは、そういう子だから。


誰かの幸せを、自分のことみたいに喜べる人。