春は眩しくて、届かない



昼休み。


いつもの中庭には、
春のやわらかい風が吹いていた。


ベンチに座ってお弁当を開くと、
陽奈がすぐににやにやした顔を向けてくる。



「いやぁ〜?」



「……なに」



「朝から彼氏と登校した感想は?」



一瞬で顔を赤くした。



「ひな……!」



「湊くんが迎え来るとか聞いてないんだけど!?」



陽奈は楽しそうに笑う。



「柏木くん、想像より彼氏になると甘いタイプだったね〜」



「っ……」



わたしは卵焼きを口に押し込むみたいに食べながら、
視線を逸らした。


でも。


頬はゆるんでしまう。