春は眩しくて、届かない



次の日の朝。


春の空気はまだ少し冷たくて、
制服の袖から入る風がくすぐったい。


今日は終業式。


高2最後の日。


りのんはぼんやりそんなことを考えながら、
玄関のドアを開けた。


そして。



「……え」



固まる。


家の前。


朝の光の中。


そこに立っていたのは、
いつもの待ち合わせ相手じゃなくて。