春は眩しくて、届かない



わたしは一年前、ひとりだった。 


朝、学校に来たときには、上履きに砂が入っていた。


笑いたくないのに、笑って。


「大丈夫」って、何度も自分に言い聞かせて。


昼休みは、断れなくて購買にパンを買いに行かされて。


教室に戻って席に戻れば、机の中がぐちゃぐちゃになっていることが日常で。


そんな毎日だった。


何か特別なことがあったわけじゃない。


ただ、ずっと“そこにいない方がいい人”みたいに扱われていた。


それが、あの頃の“普通”だった。