「……最初はさ」
低い声。
夕暮れの公園に、 静かに響く。
「水瀬って、 なんか放っとけない人だなって思ってた」
柏木くんは少し笑う。
「優しいくせに、 変なとこ無防備で」
「あと、 踏み込み方がおかしい」
「えぇ……」
思わず抗議みたいな声が出る。
柏木くんが少し吹き出した。
でも、 すぐまた静かな顔に戻る。
「でも、 気づいたら」
風が吹く。
桜が揺れる。
「水瀬といると、 ちゃんと息できるっていうか」
胸が、 ぎゅっと熱くなる。
「しんどい時も、 水瀬と話すと少し楽になって」
「……」
「笑ってると安心した」
柏木くんはそこで一度言葉を切る。
それから、 少しだけ照れたみたいに眉を寄せた。
「……たぶん俺、 結構前から好きだった」

