春は眩しくて、届かない



わたしは息を飲む。


心臓の音が、
自分でもうるさいくらいだった。


柏木くんは少し俯いたまま、
手の中の缶を指で回している。


普段ならもっと、
適当に笑って誤魔化すのに。


今は、
ちゃんと言葉を探している顔だった。