春は眩しくて、届かない



その背中を見送った瞬間。


陽奈がりのんの肩を掴んだ。



「りのん」



「……ん?」



「春、来てるじゃん」



その一言で、
りのんはまた一気に顔が熱くなった。


窓の外では、
春風に揺れた桜の花びらが、
ひとひら、
静かに舞っていた。