「うわ、咲いてる」 陽奈が空を見上げながら言う。 その隣で、 りのんも足を止めた。 ほんの少し前まで、 雪を踏みながら歩いていたはずなのに。 季節はちゃんと進んでいる。 「もうすぐ高校三年生かぁ……」 陽奈がぽつりと零す。 その声に、 りのんも小さく息を吐いた。 進路。 受験。 クラス替え。 “最後の一年”。 春になった途端、 未来が急に近づいてきた気がする。