春は眩しくて、届かない



春の風が、窓からふわりと吹き込む。


私は小さく視線を落とした。


かわいい先輩でも、届かないんだ。


じゃあ柏木くんは、どんな人を見ているんだろう。


そう考えた瞬間。


昨日、公園で花壇を見ながら笑っていた横顔が浮かぶ。



——ただ少し、気になっただけ。



春の風になびくみたいに、胸の奥が落ち着かないだけだった。