春は眩しくて、届かない



たまに目が合うと、



「……どうかした?」



って低い声で言う。



「別に」



そう返しながら、
こっそり笑ってしまう。


そんな時間が、
なんだか好きだった。


帰り際。



「明日は数学教えて」



って言ったら、



「水瀬この前もそこ間違えてた」



なんて呆れながら隣に来てくれるところも。


冬の空気は冷たいのに、
柏木くんの隣だけ少しあたたかかった。