春は眩しくて、届かない



何事もなく。
本当に、何事もないまま。


私たちの日常は過ぎていった。


朝はいつもの場所で待ち合わせして、
眠そうな顔で「寒い……」って言いながら学校へ向かう。


昼休みは購買のパンを取り合って、
放課後はテストの点数で騒いで。


たまにわたしは柏木くんと一緒にかえった。


でも。


何か今までと変わったわけでも、
気持ちを伝えたわけでもない。


ただ前より少しだけ、
隣にいるのが自然になった。