春は眩しくて、届かない




「なんだーそうだったんだ」



「ちょっと学校でも話してるなーって思ったんだ」



「ごめんね黙ってて」



気づいてしまった瞬間、息が少しだけ詰まった。


親友と、同じ人を。


でもその事実を、言葉にする前にもう一つの気持ちが浮かぶ。


陽奈は今、ちゃんと話してくれている。


大事なことを。


だったら。



「ひな、告白しないの?」



わたしがそう聞くと、陽奈は少しだけ驚いた顔をする。



「したいよ。……でもその前に、りのんに言いたくて」



少しだけ笑って、続ける。



「遅くなってごめんね」



わたしは首を振る。



「全然いいのに。そんなの」



一拍置いて、自然に言葉が出る。



「がんばって、ひな。ひなならいけるよ」



その瞬間、胸の奥が少しだけ痛んだ。


でも、それを“正しい形”にしてしまう。



「応援する」



笑顔で。


親友として。



「ひなの恋、ちゃんと応援したい」



そう言った自分の声が、やけに遠く聞こえた。