コンコンと軽くノックする音が、寝室に響く。
「志穂」
無視を決め込んで、頭からふとんを被る。
なおもコンコンと叩く音。
「飯冷めるぞ」
(絶対に返事しないっ……怒ってるんだからっ)
ぐぅぅ。
(……………………)
「明太パスタ、食わねぇなら俺食うぞ」
「食べるっ!!」
空腹に耐えかねて、あたしはのそのそとダイニングに向かう。
テーブルの上にはすでに、パスタが置かれていた。
手を合わせて、冷めない内に食べ始める。
久しぶりの綾人の味に、舌が喜んでいるのが分かった。
ただ……。
「……」
「……」
気まずくて沈黙したまま、でも食べる。
綾人の視線を感じるも、あたしはパスタを見るしかできない。
「美味いか?」
「……美味しい」
「そうか」
満足そうに笑う顔に、絆されそうになるのを堪える。
少しだけトゲを含んだ声で言ってやる。
「……別に許してないから」
「ふーん」
「なによ」
「寂しかったんだろ」
「違うっ!」
もう何を言っても敵わない。
ツッコミ過ぎてカラカラな喉に、麦茶を流し込む。
すると綾人がサラッと言う。
「そういや次の打ち合わせ、俺も出るから」
「え?」
「統括責任者だからな」
「聞いてないっ!」
「今言った」
「そういうことじゃない!」
「何だよ」
「九条さんから先に聞いた!」
「あぁ」
「あぁじゃない!」
(何でいつも九条さんなのよっ……)
喉から出そうになる彼女の名前を、寸前のところで押し留めた。
「まぁ安心しろ」
「何が」
「企画、評判いい。推し活案も通りそうだしな」
「ほんと?」
「だから呼ばれてんだろ」
知っていても、綾人に言われるとちょっと嬉しくなる。
口角が上がったあたしを見て、頬杖つく綾人。
「お前、自分の評価低すぎ」
優しく笑う綾人の顔は、まるで自信を持てと言われているみたいだった。
「志穂」
無視を決め込んで、頭からふとんを被る。
なおもコンコンと叩く音。
「飯冷めるぞ」
(絶対に返事しないっ……怒ってるんだからっ)
ぐぅぅ。
(……………………)
「明太パスタ、食わねぇなら俺食うぞ」
「食べるっ!!」
空腹に耐えかねて、あたしはのそのそとダイニングに向かう。
テーブルの上にはすでに、パスタが置かれていた。
手を合わせて、冷めない内に食べ始める。
久しぶりの綾人の味に、舌が喜んでいるのが分かった。
ただ……。
「……」
「……」
気まずくて沈黙したまま、でも食べる。
綾人の視線を感じるも、あたしはパスタを見るしかできない。
「美味いか?」
「……美味しい」
「そうか」
満足そうに笑う顔に、絆されそうになるのを堪える。
少しだけトゲを含んだ声で言ってやる。
「……別に許してないから」
「ふーん」
「なによ」
「寂しかったんだろ」
「違うっ!」
もう何を言っても敵わない。
ツッコミ過ぎてカラカラな喉に、麦茶を流し込む。
すると綾人がサラッと言う。
「そういや次の打ち合わせ、俺も出るから」
「え?」
「統括責任者だからな」
「聞いてないっ!」
「今言った」
「そういうことじゃない!」
「何だよ」
「九条さんから先に聞いた!」
「あぁ」
「あぁじゃない!」
(何でいつも九条さんなのよっ……)
喉から出そうになる彼女の名前を、寸前のところで押し留めた。
「まぁ安心しろ」
「何が」
「企画、評判いい。推し活案も通りそうだしな」
「ほんと?」
「だから呼ばれてんだろ」
知っていても、綾人に言われるとちょっと嬉しくなる。
口角が上がったあたしを見て、頬杖つく綾人。
「お前、自分の評価低すぎ」
優しく笑う綾人の顔は、まるで自信を持てと言われているみたいだった。



