一人、また一人と退勤していく姿を見送る。
「藤原先輩、そろそろ上がったほうが……」
「大丈夫、あと2日しかないからね。もうちょっとブラッシュアップしたいし」
営業部のフロアには、まだ数名がパソコンと格闘中だ。
そろそろ、あたしの腰も肩も目も限界が近い。
「そういえば、昨日迎えに来てくれた人、カッコ良かったですよね!先輩の彼氏ですか?」
「あー……えっと……まぁ……そんなカンジ?」
「イケメンすぎてびっくりしたけど、優しい彼氏さんで羨ましいです」
昨日は終電ギリギリまで残っていたら、綾人がわざわざ会社まで迎えに来てくれた。
周りのどよめきもすごかったけれど、綾人の笑顔の破壊力はそれ以上だった。
(ただ……綾人は自分で"婚約者"とは言わなかったけど)
だから今みたいに、綾人のことを問われても、何て答えたらいいか分からない。
(だって……フリ……だもの)
すると、あたしのスマホが震えた。
綾人から、「会社で待ってろ」とだけメッセージが届く。
後輩も帰らせ、綾人に返信したあと、急いで作業を切り上げた。
十五分程した頃。
会社前の道路に駐車した見慣れた黒のSUV。
「お疲れ」
ウィンドウから眼鏡をかけたオフの綾人が顔を出す。
あたしは助手席に乗り込むと、ドリンクホルダーには、おなじみのミルクティー。
「ありがと……」
シートベルトをしていても、肩を回してしまうほど凝り固まっていた。
「肩こりか」
「うん、ここずっとプレゼン資料に見積りに、神経使ってるからかなぁ……出張前なのにツラい……」
「鍼したことあるか?」
「ううん、整体しかない」
「知り合いに鍼灸師がいるから、明日行ってこい。腕だけは確かだから」
あの綾人がそこまで言うとは。
鍼は少し怖かったけれど、出張前に少しでも楽になるならと思い、明日行ってみることにした。
「藤原先輩、そろそろ上がったほうが……」
「大丈夫、あと2日しかないからね。もうちょっとブラッシュアップしたいし」
営業部のフロアには、まだ数名がパソコンと格闘中だ。
そろそろ、あたしの腰も肩も目も限界が近い。
「そういえば、昨日迎えに来てくれた人、カッコ良かったですよね!先輩の彼氏ですか?」
「あー……えっと……まぁ……そんなカンジ?」
「イケメンすぎてびっくりしたけど、優しい彼氏さんで羨ましいです」
昨日は終電ギリギリまで残っていたら、綾人がわざわざ会社まで迎えに来てくれた。
周りのどよめきもすごかったけれど、綾人の笑顔の破壊力はそれ以上だった。
(ただ……綾人は自分で"婚約者"とは言わなかったけど)
だから今みたいに、綾人のことを問われても、何て答えたらいいか分からない。
(だって……フリ……だもの)
すると、あたしのスマホが震えた。
綾人から、「会社で待ってろ」とだけメッセージが届く。
後輩も帰らせ、綾人に返信したあと、急いで作業を切り上げた。
十五分程した頃。
会社前の道路に駐車した見慣れた黒のSUV。
「お疲れ」
ウィンドウから眼鏡をかけたオフの綾人が顔を出す。
あたしは助手席に乗り込むと、ドリンクホルダーには、おなじみのミルクティー。
「ありがと……」
シートベルトをしていても、肩を回してしまうほど凝り固まっていた。
「肩こりか」
「うん、ここずっとプレゼン資料に見積りに、神経使ってるからかなぁ……出張前なのにツラい……」
「鍼したことあるか?」
「ううん、整体しかない」
「知り合いに鍼灸師がいるから、明日行ってこい。腕だけは確かだから」
あの綾人がそこまで言うとは。
鍼は少し怖かったけれど、出張前に少しでも楽になるならと思い、明日行ってみることにした。



