「はぁ……もう今日無理……」
深い息と一緒に枕に顔を埋める。
湯上がりのほっこりした温もりに、瞼も重たい。
そこへ体が沈む感覚と、見知った体温が潜り込んできた。
「寝たのか」
「んー……もうだめ、眠たい……」
「そうか」と短く返事した綾人は、眼鏡越しにじっとあたしを見てくる。
「どうしたの?」
「名実ともに婚約者だな。おめでとう」
「フリだって言ってんでしょ」
「じゃあ指輪買いに行くか」
「だからっ!フリだってば!しかも指輪はまだ早いっ!」
「へぇ」
綾人が頬杖つきながら、にやにやした顔で視線を外さない。
眼鏡でその仕草は、心臓にくるから本当にやめてほしい。
「……何よ」
「早くなきゃいいんだな」
「そういう意味じゃないっ!!もう寝るからっ!おやすみっ!」
ふとんを目一杯かぶって、この不毛なやりとりを終了させた。
綾人の大きな手が、頭をぽんぽんと軽く叩く。
触れられた手から伝わる体温。
そしてリズム音に、あたしは本当に眠りに落ちていく。
「ありがとな、志穂」
いつもより優しく響く綾人の言葉を、確かに聞いたような気がした。
深い息と一緒に枕に顔を埋める。
湯上がりのほっこりした温もりに、瞼も重たい。
そこへ体が沈む感覚と、見知った体温が潜り込んできた。
「寝たのか」
「んー……もうだめ、眠たい……」
「そうか」と短く返事した綾人は、眼鏡越しにじっとあたしを見てくる。
「どうしたの?」
「名実ともに婚約者だな。おめでとう」
「フリだって言ってんでしょ」
「じゃあ指輪買いに行くか」
「だからっ!フリだってば!しかも指輪はまだ早いっ!」
「へぇ」
綾人が頬杖つきながら、にやにやした顔で視線を外さない。
眼鏡でその仕草は、心臓にくるから本当にやめてほしい。
「……何よ」
「早くなきゃいいんだな」
「そういう意味じゃないっ!!もう寝るからっ!おやすみっ!」
ふとんを目一杯かぶって、この不毛なやりとりを終了させた。
綾人の大きな手が、頭をぽんぽんと軽く叩く。
触れられた手から伝わる体温。
そしてリズム音に、あたしは本当に眠りに落ちていく。
「ありがとな、志穂」
いつもより優しく響く綾人の言葉を、確かに聞いたような気がした。



