【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~


その女の子が中学のカバンに付けているのは、俺が持っているのとお揃いの古びたテディベアのキーホルダーだった。


見間違えるわけがない。
俺がプレゼントしたそれを


綺麗なカバンとはミスマッチな古びたテディベアが異様に目立っていた。


その瞬間胸の中がドキドキと音を立て出した。


もう会うこともないだろうとあいつのことをそのキーホルダーと共に忘れてしまっていた俺は、目の前でそのキーホルダーを今でも大切にしてくれているあいつを思うと堪らなくなった。


それと同時に今まで気持ちと一緒に奥深くにしまっていたことに申し訳なくも思った。


そしてなによりもその日
俺は昔の大好きだった気持ちが一瞬で蘇った。


あいつは今も昔も変わらずに純粋で真っ直ぐなんだ。それだけで俺が再び恋に落ちるのなんて簡単だった。


その女の子を必死に追いかけるが人混みと信号に邪魔されてその女の子をいつの間にか見失ってしまった…。


その日俺は急いで部屋の中の奥深くにしまってあったテディベアのキーホルダーを探し出すと、見つけられたことに酷く安心した。


それからはいつもすぐ取り出せるように引き出しに閉まっている。