【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~

そんな二人を見ながら笑う私を他所に

「痛いじゃんかよ!!!」

「うるせぇ…お前が悪い」

相変わらず言い合いをしている二人に声は出ないけど、まぁまぁと手振りをしながら私は笑った。


すると、碧くんを睨みつけていた春琉くんが、笑っている私に急に視線を移す

サラサラな綺麗な黒髪の隙間からジトっとした視線を向ける。

そして、少し怒ったような違うような…そんな声で


「……人が荷解き手伝ってやってる間に他の男と抱きつきやがって……」


碧くんに聞こえない声で私にそう言った。

へっ…?!?

そんな言葉に私の胸はドキッと音を立てる。

あたふたする私を見ると満足そうに意地悪そうに少し笑うと視線をズラして


「さっ、そろそろ飯にするかー…」


と、サラサラの黒髪を揺らして立ち去っていってしまってその言葉の意味を聞くことはできなかった。