本当に良かったのかな…申し訳ないな…
と思っているといつの間にか見慣れた少し前まで住んでいたアパートについた。
家賃が払えなくなって追い出されたアパートの前には、段ボールがポツン…と3つだけ外に置かれていた。
それが妙に寂しかった…。
それを見て居場所が完全になくなったような気持ちになって胸がぎゅっと痛くなった…。
立ち尽くしている私に春琉くんは何も聞かなくて
「これだけか?タクシーに運ぶからな」
それだけ言うと、その少ない私の荷物をタクシーに運んでくれた。
そしてタクシーの中でも黙り込む私に何も聞いてこなくて素っ気ないけど優しい大きな手で頭をポンッと撫でるだけだった。
何も聞かない優しさとその手の温かさに私は涙が出そうになるのを堪えた。



