【キミの声をきかせて】~声を失った少女は、四人の王子に溺愛される~


そんな私の様子に察してくれた春琉くんは


「……まぁいいや、帰るとこはあんの?」



そう言って聞かないでくれた……。

だけれど帰る場所も私にはもうない。



【ないです。ごめんなさい。すぐ出ていくので少しだけ置いてくれませんか?】



正直に書くとノートを見せて春琉くんに、お願いしますの気持ちを込めて頭を下げる。



そんな私を見つめる春琉くんは、何も聞かないで私に手を差し伸べてくれる。



「そうか、別にいたいだけここにいれば?」



見ず知らずの私に何でこんなことを言えるのだろうか……。

その提案はすごく嬉しいことだけど、お金もないしそこまでの迷惑はかけられない。



【それは悪いので大丈夫ですっ】



すると、ノートを見ていた響也くんが



「この寮に住んでるのは俺たちだけだから春琉がいいって言ってるんだから好きなだけいればいーだろ?
それにこんなに可愛い子が一人でまた外で倒れでもしたら、めんどくせぇことになるだろ?」



そう言って明るく笑ってくれる響也くん。