ぼんやりしながら髪の毛を乾かしてもらっていると
「終わったぞ、こっちこい」
いつの間にか髪の毛を乾かし終えた黒髪さんは、私の手を引きみんなのいるダイニングテーブルまで誘導してくれた。
遠慮がちに座ると、みんなの視線がめちゃくちゃ痛い……。
そして、黒髪さんが口を開く。
「お前、名前は?」
答えれない私は、慌てて必死にジェスチャーをする。
声出ないのどうか伝わってぇー!!
そんな私の気持ちが伝わったのか、黒髪さんは目を見開く。
「……もしかして、声出ねぇの?」
私はコクコクと必死に頷いた。
うぅ……!やっと伝わった……!!
もどかしかったよぉ!!
伝わったことに少し安心すると、黒髪さんは綺麗な顔を少しだけ歪ませ申し訳なさそうに謝ってきた。
「…はぁ。さっきは酷いこと言って悪い。」
知らなかったんだから仕方がないのに、すごく申し訳なさそうにする黒髪さん。
私は慌てて手を振って悪くないですって身振りをする。
すると
「なんか書くもんある?」
と黒髪さんが皆に聞くと
「俺の余ってるノート持ってくる」
ずっと無口だった静かそうな男の子が、ノートを取りに行ってくれた。



