うちら4人幼馴染、2人の両片思いたちが不器用すぎる!

数日後、今度は私にとっての「地獄」が待っていた。
お昼休み、私は瑠香ちゃんにノートを返そうと、彼女が所属するバレー部の部室棟の裏を歩いていた。
そこは普段、人があまり通らない静かな場所だ。
「ちょっと空、待ちなさいよ!」
「うるせぇな、瑠香。俺は今イライラしてんだよ」
聞き覚えのある二人の声。
遮蔽物の陰からそっと覗くと、空くんと瑠香ちゃんが言い合いをしていた。
空くんは壁に寄りかかり、瑠香ちゃんがその前に立って空くんの胸ぐらを掴もうとしている。
その時、瑠香ちゃんの足元が、地面に落ちていたバレーボールに乗っかった。
「きゃっ!?」
「おわっ、危ねぇ!」
空くんが慌てて瑠香ちゃんの腰を抱きとめ、二人はそのままもつれ合うようにして壁に押し倒された。
空くんが下、瑠香ちゃんが上。
顔と顔の距離は、わずか数センチ。
あと少しで――キスができてしまうほどの距離。
「……っ」
私は声も出せないまま、持っていたノートを地面に落とした。
その音に気づいて、空くんと瑠香ちゃんがバッとこちらを振り返る。
「ま、真奈……!?」
「……これは違う、ハプニングで……!」
「ごめんなさいっ!!」
二人の言い訳を聞く余裕なんてなかった。
私は涙をボロボロとこぼしながら、全力でその場から逃げ出した。
空くんの好きな人は……瑠香ちゃんだったんだ……。
最悪の勘違いが、私の心を完全に粉砕した。