体育祭のあと、少しだけ気まずさが和らいだかと思ったのも束の間、私たちの勘違いは最悪の方向へ加速していった。
6月のある日の放課後。
私は春馬くんに頼まれて、誰もいない進路指導室の資料整理を手伝っていた。
「ながまな、その上の棚のファイル取ってくれ」
「はーい……っと、届かない……わわっ!」
背伸びをした瞬間、バランスを崩して古い資料の箱が崩れ落ちてきた。
「危ねぇ!」
ガシャシャン!という音と同時に、春馬くんが私をかばうようにして、壁に押し付けた。
ドンッ!!
気づけば、私は春馬くんにガッツリと「壁ドン」される形になっていた。すぐ目の前に春馬くんの顔がある。
「い、痛ってぇ……。ながまな、大丈夫か?」
「う、うん。春馬くん、ありがとう……」
その時、進路指導室の半開きのドアの向こうで、何かが動いた。
ハッとそっちを見ると、そこには――凍りついたような目で私たちを見つめる、空くんが立っていた。
「あ、空く……」
私が声をかけるより早く、空くんは手に持っていたプリントをクシャッと握りつぶし、ものすごい勢いで足音を荒げて去っていった。
【side空】
……あぁ、そういうことかよ。
春馬の奴、真奈のことが好きじゃないって言ってたくせに、誰もいない部屋で何やってんだよ。
真奈も、春馬に壁ドンされて顔を真っ赤にしやがって。
やっぱりあいつが好きなのは、俺じゃなくて、ずっと優しくて素直な春馬だったんだ。
胸の奥が、ありえないくらいドロドロとした怒りと絶望で満たされていくのがわかった。
6月のある日の放課後。
私は春馬くんに頼まれて、誰もいない進路指導室の資料整理を手伝っていた。
「ながまな、その上の棚のファイル取ってくれ」
「はーい……っと、届かない……わわっ!」
背伸びをした瞬間、バランスを崩して古い資料の箱が崩れ落ちてきた。
「危ねぇ!」
ガシャシャン!という音と同時に、春馬くんが私をかばうようにして、壁に押し付けた。
ドンッ!!
気づけば、私は春馬くんにガッツリと「壁ドン」される形になっていた。すぐ目の前に春馬くんの顔がある。
「い、痛ってぇ……。ながまな、大丈夫か?」
「う、うん。春馬くん、ありがとう……」
その時、進路指導室の半開きのドアの向こうで、何かが動いた。
ハッとそっちを見ると、そこには――凍りついたような目で私たちを見つめる、空くんが立っていた。
「あ、空く……」
私が声をかけるより早く、空くんは手に持っていたプリントをクシャッと握りつぶし、ものすごい勢いで足音を荒げて去っていった。
【side空】
……あぁ、そういうことかよ。
春馬の奴、真奈のことが好きじゃないって言ってたくせに、誰もいない部屋で何やってんだよ。
真奈も、春馬に壁ドンされて顔を真っ赤にしやがって。
やっぱりあいつが好きなのは、俺じゃなくて、ずっと優しくて素直な春馬だったんだ。
胸の奥が、ありえないくらいドロドロとした怒りと絶望で満たされていくのがわかった。



