敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています

「すぐに全滅するなんて……ボスは相当強敵なんだな」
「はい。次もあるみたいなんで、そのときは京極さんも一緒に倒すのを手伝ってくださいね!」
「もちろん。それにしても、倉科さんは小説、マンガ、ゲーム、どれもくわしいよね。すごいな」

 普段はクールに見えるのに、彼が不意に口角を上げて笑うと、途端に親しみやすい雰囲気があふれ出る。
 恋愛シミュレーションゲームの王子様キャラみたいだな……なんて思いながら眺めてしまった。

「書店員としては、流行りのものが気になるんです。知っておきたくて」
「プロ意識高いね」
「いえいえ、オタクなだけなんですよ。あ、そういえば例の〝隠し扉〟は見つかりました?」

 そっと小声で尋ねると、綺麗な笑みをたたえた彼が大きくうなずいた。

「確認したら、本当にあったよ。あれ、攻略本にものってないよね? 自分で見つけたの?」
「はい」

 ずっとセブエリをプレイしている中で、ひとつ気づいたことがあった。
 ゲーム内の森の中に、一見わからないような隠し扉がつくられていて、その部屋に入るとレアアイテムをゲットできる。
 ただしこれは、彼の言うように攻略本にも書かれていない。ゲームクリエイターの遊び心だろう。