敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています

 電話口からイライラとした大きな声が届いた。怒りたいのは私のほうなのに……。

 実は、父には消費者金融にも多額の借金がある。いわゆる〝多重債務者〟だ。
 いろいろと事情があってこうなっているのだが、法律で定められている以上に高い利息でお金を貸す違法業者とだけは関わらないでほしいと思っている。以前から父にはそう言っているけれど、聞く耳を持ってくれないのだ。

『とりあえず利子の分だけ払ったら、返済はもう少し待ってくれるはずだ。今日は家に帰るな』
「お父さん……」
『お前も働いてるんだからカネはつくれるだろ? 親を助けると思って、娘なら少しくらい協力しろよ』

 言うだけ言って、父は一方的に電話を切ってしまった。

 少しくらい協力しろって、なに? 勝手に借金をつくったのは誰なのよ。
 悲しみと憤りが同時にやってきて、心の中を一瞬でめちゃくちゃにされた。

 とにかく、今は家に帰れない。仕方がないので、私はひとり暮らしをしている友人の成美(なるみ)に電話をかけ、彼女の家に泊めてもらうことにした。