敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています

「賢也くん、お疲れ様」
「お疲れ様です」

 持参したお弁当を広げ、賢也くんの向かい側の椅子に座って「いただきます」と手を合わせる。

「……あの人、最近よく来ますね」

 一瞬ポカンとしてしまったけれど、すぐに京極さんのことだとわかって小さくうなずいた。どうやら私と売り場で話していたのを見ていたらしい。

「京極さんね、私と同じでゲームが好きみたいなの。実はセブエリ仲間なんだ」

 フフフとほくそ笑んだ私とは対照的に、賢也くんは不愉快そうにキュッと眉をひそめた。

「ていうか、何者ですか?」
「え? 何者って……普通の会社員じゃないかな」
「でも、いつ見てもスーツ姿じゃないですよ?」

 そういえば京極さんについては、先ほど連絡先を交換したばかりで、それ以外のこととなると名前しか知らない。
 年齢は、私より年上だと思う。……勘だけれど。

「たしかに服装はビジネスカジュアルだよね。今日もそうだった。でも、会社員がみんなスーツとは限らないじゃない」

 最近では、自由な服装で働ける会社も増えている。それに、彼がどこに勤めているかなんて、私が気にすることではないもの。

「まあでも、日曜日そういう話になったら聞いてみてもいいかな」
「日曜日、なにかあるんですか?」
「お茶に誘われたの。ここじゃあんまり話せないからね。カフェで思う存分ゲーム談義してくる」
「陽咲さん、狙われてるじゃないですか?」