敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています

「もっと話したいんだけど、これ以上長い時間は無理だよね。仕事の邪魔してごめん」

 申し訳なさそうに顔をしかめる彼を見て、曖昧な笑みを浮かべたものの、たしかにそのとおりだ。
 いくら京極さんがお客様だとはいえ、接客の域を超えて話し込むのは仕事に支障が出るからまずい。

「じゃあさ、今度お茶でもどうかな? セブエリ以外のゲームのこともくわしく教えてほしいから」
「わかりました。カフェだったらゆっくり話せますもんね」

 互いにスマートフォンを取り出して、連絡先を交換した。
 今まではゲーム内のチャットか、こうして書店で会うときしか交流していなかったため、なんだか距離がぐっと詰まった気がする。同じ趣味の人と仲よくできるのは素直にうれしい。

「時間が合うといいな」
「私、今週の日曜日なら空いてますよ。シフトの調整で、珍しく週末なのに休みなんです」
「三日後か……。だったらその日で予定を調整してみるよ。連絡するね」

 彼はそう言って、整った顔に悠然とした笑みを浮かべ、そのまま書店をあとにした。
 私は売り場に並べられた本を整え終わったタイミングで昼休憩に入り、休憩室へと向かう。
 すると先に休憩に入っていた賢也くんが、パイプ椅子に腰を掛けてコンビニのおにぎりを食べていた。