私のぷくっと膨らんだキモチ、今が食べごろです

ビリッと破って袋を開けて、ちょこんっと顔を出した大福にぱくっとかぶりつく。

隣で眞尾先輩は笑ってたけど。
ははって笑って、頬が上がって…可愛いんですけど、可愛いんですよ。


私じゃなくて、眞尾先輩が可愛いんです。


チラッと横目で隣を見たら、ごくんっと大福を飲み込む。

やっと眞尾先輩が袋から大福を取り出したから、眞尾先輩の指先を追うように…大きな口でぱくっとひとくち、口の中に放り込まれた大福を追いかけて。

「……。」

ぷくっと頬が膨らんだ、子供みたいに。

お口いっぱい詰め込まれたから、膨らんだ頬が、頬が…っ


可愛い~~~~~!!!


何あれ、かわいいっ♡

ぷっくぷくだ、もうどっちが大福かわからないぐらいぷっくぷくだ!


白くてまるっとしたほっぺが艶っとして、もぐもぐと口が動くたびむぎゅっと頬が上がる姿なんてもう……



可愛い、可愛すぎるっ!



なんて気持ちよさそうなんだろう。

ずっと見ていたい、だけど見ていたら止まらなくなりそうで…
触れてみたい、そんな感情ばかり溢れてくる。

あの柔らかそうで、しなやかな頬に、手を伸ばしたくなっ…


ごくんっと喉を鳴らして全然飲み込めない大福を無理やり押し込んだ。

しまった、お茶も買っておくんだった。
全く喉を通っていかない、お餅が詰まっちゃったみたいにほんのり息苦しくて。


だって目が離せなくて、離させてくれないの。


これ見よがしにぷくっとさせるから。


ドキドキしてた、たまらなくドキドキして…

眞尾先輩がぺろっと舌を出して唇を舐める。


その瞬間、目が合ってドキッと心臓の奥が音を出した。


「なんで逸らしたの?」

「えっ、あ、すみません…!」

咄嗟に謝ってしまった、でもそれはどこに対してなのか自分でもわからなくて。
これだとまるで視線を逸らしたことを謝ってるみたいだ。

「すみませんっ、あの…っ」

「何が?」

「えっと…っ」

ひゅーっと風が吹く、6月の夜風は涼しくて。それなのに体は熱いから。


「ずっと見てたくせに」


ふっと微笑んだ眞尾先輩は大人の男性で、さっきまでの子供みたいなほっぺじゃない。

ううん、気付けば違ったの。

子供みたいだって思ってたのに、私を見る瞳は全然違って。