私のぷくっと膨らんだキモチ、今が食べごろです

「こんなんでいいの?」

「いいです、むしろこれがいいです!」

「香天屋じゃなくて?」

「いいです!香天屋じゃなくてもいいです!」

不思議そうな顔をした眞尾先輩とコンビニで大福を買った。
1個100円ちょいの大福に眞尾先輩の方が申し訳なさそうで、むぎゅってしたお口にキュッと頬を上げていた。

香天屋もいいけど、香天屋がいいわけじゃないから本当は。

大福を入れたビニール袋をぶら下げて近くの公園まで歩く、さすがにこの時間の公園は街灯があっても薄暗くて噴水のライトアップも終わってた。

「桜木って本当好きなんだね、これ」

眞尾先輩が噴水の前のベンチに座ったから同じように隣に座った。

「ありがとうございます」

どうぞ、と手渡された大福越しに眞尾先輩を見る。

好きなんですけど、好き…ではあるんですけど。


これに隠された意味は、眞尾先輩は知らない方がいいかもしれないけど。


「食べないの?」

「た、食べますっ」

ついじーっと見ちゃってたから眞尾先輩に指を差されてしまった、手のひらに乗せたまるっとした大福を。

大福見ながら眞尾先輩のこと考えてたとか言えない。

眞尾先輩のぷっくりほっぺに似てて可愛いなぁとか、眞尾先輩のほっぺもふっくらして柔らかいのかなぁとか、白くてもちもちの眞尾先輩のほっぺは…

「…。」

「……。」

「…あの、私のこと見てます?」

「あ、バレた?」

「いや、堂々と見てましたよね!?」

私が大福を見ている間、眞尾先輩が私のことを見てた。
しかも足を組んで座りながら思いっきり顔をこっちに向けて、それはそれは視線感じるどころじゃない。

「だって大福食べてる時の桜木可愛いから」

「何言ってるんですか!」

くすっと笑って大福の袋を開けるから、つい声が大きくなっちゃって夜の公園に声が響いた。
夜風が涼しいはずなのにそんなこと言われてボンッと頬が熱くなる。

「もう食べますよ!眞尾先輩も早く食べてください!」