壱くん、お願いだから近づかないで。






【来年から桜ヶ平女子学院は桜ヶ平学園と改名し、共学になります!】


 デカデカと書かれた文字を三回読み直しても、意味が変わらない。


「これ、現実? 何、共学って……え、むり」

「佑茉、大丈夫?」

「む、むりぃぃー」


 本当、無理。来年から男の子がいるってことだよね? そんなの聞いてないよ。なんで急に。なんで私の学校が。


「平和な女子校生活、一年だけで終わるとか意味わからん……」


 その日は憂鬱なまま授業を受けて、ぼんやりしたまま帰り道を歩いた。
 真っ直ぐ家に帰ると、ちょうどお母さんがパートから戻ってきたところで、玄関に鞄を置く間もなく「お母さーん」と泣きついた。