壱くん、お願いだから近づかないで。







  ***



「おはようー」


 いつもの朝。学校に登校して教室に入ると、なんだかいつも以上に騒がしい。女の子たちがあちこちで集まって、スマホやプリントを囲んでひそひそしている。なんだろうと思っていると、


「佑茉! ねぇ、見てこれ!」


 ゆっこが血相を変えて飛んできた。差し出されたスマホの画面を見て、私も固まる。


「……なんで、こんな」


 なにこれ、なにこれ! 聞いてないんだけど!?

 私は頭を抱えてその場にしゃがみ込んだ。頭の中を「どうして?」がぐるぐる回って、うまく言葉が出てこない。


「佑茉、大丈夫? でもこれが本当かどうかわからないじゃない? だって来年からって言ってるのに、今まで何も知らされてなかったじゃん」

「そ、そうだよね」

「そうだよ、きっとデマだよ」


 だよね……うん、そうだよ。

 無理矢理に納得させようとした私だったけど、その後のホームルームで担任の先生が一枚のプリントを配り、それを見た瞬間に全部が現実になった。