壱くん、お願いだから近づかないで。




「佑茉ちゃん、俺に興味を!?」


 雉真くんが足を止めて目を丸くした。少し嬉しそうな、驚いたような顔をしている。


「いや、ちょっと気になっただけで……」


 だって、もし部活をしていたら図書委員をしている時間はないんじゃないかと思っただけだ。別に他意はない。


「俺はしてないよ。前の学校ではサッカーしてたけど」

「そうなんだ、すごい……でもここ、サッカー部ないもんね」


 桜ヶ平学園には運動部がいくつかあるけれど、確かにサッカー部はない。共学になったとはいえ、元々女子校だったから運動部の種類もまだ限られている。