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「――松岡さん、大丈夫?」
「うん、大丈夫……」
いえ、全く大丈夫じゃございません。
ここはバスの中。窓の外を流れる景色を眺めているふりをしているけれど、私の意識はどうしても隣に向いてしまう。なんで私の隣に林田くんと雉真くんがいらっしゃるんでしょうか。どこを見ても、右を見ても左を見ても、男の子がいる。
「席、変わろうか?」
「ううん、大丈夫。ごめんね」
気遣ってくれたのは、同じ班の角谷果歩ちゃんだ。はっきりした目鼻立ちにすらっとした長い脚、誰が見てもとびきりの美人さん。
初めて会った時から物腰が柔らかくて、この班で唯一ほっとできる存在だ。
「佑茉ちゃん、お菓子焼いてきたんだけど食べる?」
「え……お菓子?」
声をかけてきたのは、雉真くんだった。小さめのタッパーを開けると、きれいな丸い形のクッキーが並んでいる。ちゃんとラッピングもされていて、とても手作りには見えない。



