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「……そっかぁ、災難だったね」
初めて授業をサボった罪悪感を抱えながら、トボトボと教室に戻ると、雉真くんが申し訳なさそうな顔で謝ってきた。でも私には彼の顔をちゃんと見る余裕がなくて、視線を床に落としたまま小さく頷くだけにした。そのまま昼休みまでをなんとかやり過ごし、チャイムが鳴った瞬間に花純のところへ飛んでいって一緒に教室を出た。
「だけど、あんな熱烈な告白素敵だったけどなぁ……憧れちゃう」
「嫌よ、そんな」
「まぁ、佑茉は可愛いから仕方ないんじゃないかな? それに一年生にも人気あるし」
「人気なんて、ない。可愛くない。平和な生活に戻りたい」
切実な願いはそれだ。本当に、心の底から。
お願いだから、去年みたいな静かな日々を返してください……
「そういえば、遠足の栞もらった?」
「もらってないよー。なんか書いてあった?」
「自由時間があるから一緒に回りたいなって……どう?」
新学期最初の遠足は、毎年五月のゴールデンウィーク前に行われる行事の一つだ。クラスの親睦を深めるという名目もあって全員参加が基本で、それなりに楽しみにしている行事だった。
「回りたい! 一緒に回ろう」
「うん!」
さっきまでの憂鬱が少し晴れて、楽しみだなと思いかけたのに。
担任から配られた遠足の栞を開いた瞬間、その気持ちは見事に消え去った。
【自由行動は班ごとで行動すること】
そして名簿順で組まれた班の欄を見ると、私の名前の隣に【林田 大輝】【雉真 壱】とはっきり書かれていた。



