壱くん、お願いだから近づかないで。






 それから毎月毎月、『あと何ヶ月で共学……』と心の中でカウントダウンしては憂鬱になる日々が続いた。

 校舎の隅では増築工事が始まり、日に日に新しい建物が出来上がっていく。金属音や機械の音が校庭に響くたびに、現実が迫ってくる気がして胸が重くなった。去年までは気にしたこともなかったあの工事の音が、今では耳に刺さるように聞こえる。

そして今日は、クラス発表の日。ついに、この日がやってきてしまった。


「佑茉〜ほら、行かないと。ウダウダ言ったって現実は変わらないんだからね」

「そうだけど……」

「ほら、行くよー」



 ゆっこに背中を押されながら、クラス表を見に行く。廊下には続々と生徒たちが集まっていて、あちこちから歓声や残念そうな声が上がっていた。
 男の子の声も混じっていて、私は無意識に体を小さくした。できるだけ視線を落として、ゆっこの背中にくっつくようにして掲示板まで急ぐ。

 せめて、ゆっこと一緒のクラスになれますように……!


「佑茉、離れちゃったね……」

「え、うそ!」

「しかも、佑茉のクラス男の子いるじゃん」


 なんてこと……一年間、地獄状態で過ごさないといけないなんて本当に無理なんですけど。