キーンコーンカーンコーン……。
高校生活最後の日。
卒業式を終えた教室は、涙と笑顔、そして未来への希望の熱気で溢れかえっていた。
だけど、私の心臓は、いつもと変わらない……いや、いつも以上のギネス記録級の暴走を始めていた。
「ゆっちゃん、卒業おめでとう! これで俺たち、晴れて『いつでも一緒にいられる大学生カップル』だね!」
机の横にすっ飛んできたそーちゃんは、卒業証書の筒を小脇に抱え、すでに幻の尻尾をちぎれんばかりにブンブンと振っている。
式中のキリッとした格好いい姿はどこへやら、私を前にした瞬間、いつもの100点満点の溺愛ワンコに元通りだ。
周りのクラスメイトたちから「最後までごちそうさまです!」「大学行っても爆発しろよー!」と生暖かいヤジが飛ぶ中、私たちは手を繋いで校門を飛び出した。
向かった先は、やっぱりあの、私たちのたくさんの思い出が詰まった「校舎裏の渡り廊下」。
放課後の静けさが戻ったその場所で、私たちは並んで窓の外の桜を見上げていた。
「……そーちゃん。私たち、本当に卒業しちゃったね」
「うん。でも、寂しくないよ。だって明日からも、明後日も、この先ずっと優愛の隣にいるのは俺だし、優愛を甘やかすのは俺の特権だもん」
そーちゃんは繋いでいた手を引いて、私を正面から包み込むように、優しく、だけど男の子らしい少し強引な熱を含んだ瞳で見つめてきた。
胸元には、あの誕生日に貰ったピンクゴールドのネックレスが、私の鼓動に合わせてきらきらと輝いている。
「あのさ、優愛。お昼休みの教室でも言ったけど……俺、大学に入ったら、優愛の近くで一人暮らしを始めるつもりなんだ。それでさ……」
そーちゃんの手が、そっと私の頬に触れた。触れられた場所から、火がつきそうに熱くなる。
「もっと大人になったら、俺と、同じ家に帰ってくれませんか? ……だめ、かな?」
また出た、ずるすぎる上目遣い。
だけど今回の言葉は、今までで一番真剣で、重くて、そして何より愛に満ち溢れた未来のプロポーズだった。
心の中の限界オタクが「喜んで同棲します!!!! 結婚してください!!!!」と五体投地で叫びながら、嬉し涙の海で大溺れしている。
だけど、今の私は、蚊の鳴くような声で呟くだけの「照れ気味な優愛」じゃない。
私は恥ずかしさで爆発しそうな心臓を必死に抑え、そーちゃんの制服の第二ボタンをぎゅっと握りしめながら、まっすぐにその瞳を見つめ返した。
「……だめじゃない。むしろ、私からそーちゃんに、ずっと一緒にいてくださいって言いたいくらいだもん」
「優愛……っ!?」
「直接は恥ずかしくて言えなかったけど……。私も、そーちゃんが世界で一番、宇宙で一番大好きなんだからね……っ! だから、ずっと、ずーーーっと離さないでね!」
私の人生最大のご褒美告白。
言った瞬間、世界が反転した。
「……っっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!(過去最大の限界突破)」
次の瞬間、視界がそーちゃんの胸元で埋め尽くされる。
強い力で、だけど壊れ物を扱うみたいに愛おしそうに、そーちゃんの大きな腕が私の体を抱きしめた。
耳元にダイレクトに伝わってくる、ドクドクと信じられないくらい速いそーちゃんの鼓動。
余裕そうに見えるそーちゃんだけど、本当は、私と同じくらい緊張して、心臓をバクバクさせてくれている。
それが伝わってきて、胸の奥がじんわりと甘い幸福感で満たされていく。
「無理無理無理!! 自分からそんなプロポーズの返事してくれるなんて、俺、嬉しすぎて本当に明日地球が滅亡するかもしれない!! っていうか、可愛すぎて無理、一生離さない。あと100億万秒、このまま抱きしめてていい!?」
「だ・か・らー長すぎっ!! ほら、そーちゃん、苦しいってば……っ(笑)」
私の「ダメ」は、やっぱりそーちゃんの脳内で「もっと強く抱きしめて」に自動変換されたみたいで、結局私たちが誰もいない渡り廊下を離れたのは、すっかり夕日が私たちをオレンジ色に染め上げた後のことだった。
それから、少しだけ未来のお話。
「あーあ、今日も優愛が可愛すぎて、大学の講義中ずっと優愛の成分が足りなくて禁断症状出ちゃった。家ごと俺の部屋にワープしてくれないかなぁ」
「そんなSFみたいなこと起きないよ(笑)。ほら、そーちゃん、今日は私が美味しいご飯作るから、手伝って?」
「約束ね!」と、100点満点の笑顔で私の手を引くそーちゃん。
スマホには、今日もそーちゃんから『優愛おはよ! 今日も世界一愛してるよ!』のメッセージが残っている。
呆れ半分、だけど愛しさ無限大。
直接甘えることも、今ではすっかり上手にできるようになっちゃった。
幸せすぎて、何度幸せって思えばいいのか分からないくらい。
世界一平和で、世界一甘い私たちのイチャイチャな日常は、これからも、その先の未来も、糖度1000%のままどこまでも、永遠に続いていく──!
(完結)
高校生活最後の日。
卒業式を終えた教室は、涙と笑顔、そして未来への希望の熱気で溢れかえっていた。
だけど、私の心臓は、いつもと変わらない……いや、いつも以上のギネス記録級の暴走を始めていた。
「ゆっちゃん、卒業おめでとう! これで俺たち、晴れて『いつでも一緒にいられる大学生カップル』だね!」
机の横にすっ飛んできたそーちゃんは、卒業証書の筒を小脇に抱え、すでに幻の尻尾をちぎれんばかりにブンブンと振っている。
式中のキリッとした格好いい姿はどこへやら、私を前にした瞬間、いつもの100点満点の溺愛ワンコに元通りだ。
周りのクラスメイトたちから「最後までごちそうさまです!」「大学行っても爆発しろよー!」と生暖かいヤジが飛ぶ中、私たちは手を繋いで校門を飛び出した。
向かった先は、やっぱりあの、私たちのたくさんの思い出が詰まった「校舎裏の渡り廊下」。
放課後の静けさが戻ったその場所で、私たちは並んで窓の外の桜を見上げていた。
「……そーちゃん。私たち、本当に卒業しちゃったね」
「うん。でも、寂しくないよ。だって明日からも、明後日も、この先ずっと優愛の隣にいるのは俺だし、優愛を甘やかすのは俺の特権だもん」
そーちゃんは繋いでいた手を引いて、私を正面から包み込むように、優しく、だけど男の子らしい少し強引な熱を含んだ瞳で見つめてきた。
胸元には、あの誕生日に貰ったピンクゴールドのネックレスが、私の鼓動に合わせてきらきらと輝いている。
「あのさ、優愛。お昼休みの教室でも言ったけど……俺、大学に入ったら、優愛の近くで一人暮らしを始めるつもりなんだ。それでさ……」
そーちゃんの手が、そっと私の頬に触れた。触れられた場所から、火がつきそうに熱くなる。
「もっと大人になったら、俺と、同じ家に帰ってくれませんか? ……だめ、かな?」
また出た、ずるすぎる上目遣い。
だけど今回の言葉は、今までで一番真剣で、重くて、そして何より愛に満ち溢れた未来のプロポーズだった。
心の中の限界オタクが「喜んで同棲します!!!! 結婚してください!!!!」と五体投地で叫びながら、嬉し涙の海で大溺れしている。
だけど、今の私は、蚊の鳴くような声で呟くだけの「照れ気味な優愛」じゃない。
私は恥ずかしさで爆発しそうな心臓を必死に抑え、そーちゃんの制服の第二ボタンをぎゅっと握りしめながら、まっすぐにその瞳を見つめ返した。
「……だめじゃない。むしろ、私からそーちゃんに、ずっと一緒にいてくださいって言いたいくらいだもん」
「優愛……っ!?」
「直接は恥ずかしくて言えなかったけど……。私も、そーちゃんが世界で一番、宇宙で一番大好きなんだからね……っ! だから、ずっと、ずーーーっと離さないでね!」
私の人生最大のご褒美告白。
言った瞬間、世界が反転した。
「……っっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!!!(過去最大の限界突破)」
次の瞬間、視界がそーちゃんの胸元で埋め尽くされる。
強い力で、だけど壊れ物を扱うみたいに愛おしそうに、そーちゃんの大きな腕が私の体を抱きしめた。
耳元にダイレクトに伝わってくる、ドクドクと信じられないくらい速いそーちゃんの鼓動。
余裕そうに見えるそーちゃんだけど、本当は、私と同じくらい緊張して、心臓をバクバクさせてくれている。
それが伝わってきて、胸の奥がじんわりと甘い幸福感で満たされていく。
「無理無理無理!! 自分からそんなプロポーズの返事してくれるなんて、俺、嬉しすぎて本当に明日地球が滅亡するかもしれない!! っていうか、可愛すぎて無理、一生離さない。あと100億万秒、このまま抱きしめてていい!?」
「だ・か・らー長すぎっ!! ほら、そーちゃん、苦しいってば……っ(笑)」
私の「ダメ」は、やっぱりそーちゃんの脳内で「もっと強く抱きしめて」に自動変換されたみたいで、結局私たちが誰もいない渡り廊下を離れたのは、すっかり夕日が私たちをオレンジ色に染め上げた後のことだった。
それから、少しだけ未来のお話。
「あーあ、今日も優愛が可愛すぎて、大学の講義中ずっと優愛の成分が足りなくて禁断症状出ちゃった。家ごと俺の部屋にワープしてくれないかなぁ」
「そんなSFみたいなこと起きないよ(笑)。ほら、そーちゃん、今日は私が美味しいご飯作るから、手伝って?」
「約束ね!」と、100点満点の笑顔で私の手を引くそーちゃん。
スマホには、今日もそーちゃんから『優愛おはよ! 今日も世界一愛してるよ!』のメッセージが残っている。
呆れ半分、だけど愛しさ無限大。
直接甘えることも、今ではすっかり上手にできるようになっちゃった。
幸せすぎて、何度幸せって思えばいいのか分からないくらい。
世界一平和で、世界一甘い私たちのイチャイチャな日常は、これからも、その先の未来も、糖度1000%のままどこまでも、永遠に続いていく──!
(完結)



