婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】編集中


会場に入った私たちの目に飛び込んできたのは、見上げるほど高い天井に見たことないほどの巨大なシャンデリアが会場の中心でキラキラと光輝く姿。

そんな煌びやかな豪華な会場で、その大きなシャンデリアの下にたくさんの令嬢や子息たちが集まり、お淑やかに談笑を楽しんでいる様子が伺える。

だけれど、私はその輪に入ることなく、スっと会場の奥へと歩みを進めた。


この夜会で、私がコソコソとしている理由がある。

それは、この世界で社交の場は避けては通れないという絶対的なルールが存在していて、私は社交の場が苦手なわけではないけれど、どうしても一つ嫌なことがあるの。

そう、それは結婚。

社交界というものは、婚約者探しをする者たちがとても多い。もし、この会場で目立ちでもしたら、婚約者のいない私は翌日から婚約話がウヨウヨと出てくること間違いなしなのだ。

結婚なんてしたくない私はいつも目立たないように、こうやって静かに別の場所に移動している。


そんな今日も、いつものようにひっそりと過ごすためにルリにおやつを持ってくるようにだけ頼んで、いつもの特等席、二階のテラスに向かった。