ものすごく広いお屋敷の中に入ると、最上階にある他の部屋とはまったく雰囲気の違う豪華で重々しい扉の前に案内された。
その扉の前で立ち止まると私に少しだけ恐ろしいことを言う。
「こちらに主人がいる。少し機嫌が悪いから粗相のないように挨拶をしてきなさい。私は仕事があるのでこれで失礼するよ」
それだけ言うとその人は去っていった。
よしっ!モラハラ男との婚約に比べたらこんなこと怖くないっ!
どんなに怖いおじ様公爵にだって私は負けないんだから!!!
私は握り拳を握ると気合を入れる。
そして、心を落ち着かせるために深呼吸をすると扉をノックする。



