婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~【完】編集中


出会ってからというもの、リリィ様の口癖は

「今世は絶対自由に楽しく生きる」
「今世は男になんて絶対振り回されない」

当時幼いお嬢様が『今世』という言葉をよく使うものだから、前世の記憶でもあるのだろうか?と思ったのを今でも覚えています。


今もその強い意志を貫いておられるのか、年頃を迎えたリリィ様は、大人しくしていれば……コホンッ…失礼しました。

……こんなにも儚く美しく育ったというのに、婚約者どころか恋人すらいません。


そしていつまでも娘を溺愛している両親は

「世界一可愛いリリィよ!無理に婚約なんてする必要はないさ〜!この屋敷にいたければ、いつまでもずううーっと、いていいのだぞ〜っ!!」

と相変わらずの溺愛っぷりで、ますます色恋沙汰のないまま彼女は誰の目に触れられることもなく、自由気ままに生活を送っているのでした。



──ですが、そんな自由に生きてきたリリィ様の運命が変わる夜会が、今夜開かれるのです。