婚約が嫌で男装執事になったのに~配属先が婚約者の元でした~


─────ロゼッタ侯爵邸


「リリィ嬢が消えた…だと?」


改めて婚約の挨拶に訪れていたギルが耳にしたのは、婚約発表の夜にリリィがいなくなったという事だった。


「こちらが…リリィ様の残された手紙です」


後ろで待機してたルリが涙を堪えながら、私に手紙を差し出してきた。そこに書かれていたのはリリィらしい謎めいた手紙だった。


【修行してきます。私は元気です。】



「あぁ…うちの娘は少しばかり規格外でね…修行に出ると手紙を書き残し、いなくなった。きっと公爵様の花嫁になる為に修行に行ったのだろう!!なんて公爵様想いの娘なんだ!!!」