逃げることを決意した私は、その日の夜いそいそと準備をはじめた。
まずはじめにお化粧を落とすと、お父様を昔驚かせるために購入した茶色のショートカットのカツラを私の思い出ボックスからガサゴソと取り出す。
そして、私は自慢のピンクの髪の毛を綺麗にまとめるとカツラの中にぎゅうぎゅうに押し込んだ。
そして次に、使用人たちの部屋に忍び込むと、執事服を持ち出すことに成功する。
そしてその執事服にさっそく着替える。
最後に鏡の前にたって全身をチェックすると、そこにはとても素敵な男の子になった自分がいた。
「わぁ!!すごいすごい!!完璧じゃない!?これなら絶対バレないよね!少し服がでかいけど……まぁ、それは仕方がないよね〜、これしかなかったし〜」
───そんな脳天気なリリィは、少し大きい執事服を身にまとい、茶色のショートカットをサラサラと揺らす。
化粧を落とした顔は透き通るほど真っ白。
そして、くりくりの空色の瞳と人形のように可愛いらしい顔は、まったく隠せておらず、とても頼りなさそうな愛くるしい美少年に変身を遂げていた。
だけれど、本人はその姿にとてもかっこいい完璧な男の子が出来上がったと満足気に満面の笑みで笑うのだった───。



