そんな事を思いながら窓の下に辿り着くと、タイミングよく窓が開く音が辺り一面に響き渡る。
───バァァアンッ!!
「ルリ!!じゃあね!!」
次の瞬間、そんな元気な明るい声が頭上から降ってきて俺はすぐに窓を見上げた。
俺の目にうつるのは、ふんわりと広がるドレスを纏った女が落ちてくる姿だった。
俺は落ちてくる場所を直ちに予想して、腕を広げると、すぐに落ちてきた体を衝撃ごと受け止めた。
────ポフッ
俺の腕の中にすっぽりと収まったその体は、思ったよりも華奢で柔らかい。
やっと捕まえた……お前がリリィだな?
リリィの姿を確認するために腕の中に収まる小柄な彼女に視線をうつすと──あまりの衝撃に、俺は息を飲んだ……。
綺麗に澄んだ空色の瞳をキョトンと丸くさせ、淡いピンクの髪の毛は太陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。白い肌に人形のように整った顔はお転婆とは程遠い姿だった。
俺の腕の中にいる彼女からは気持ちのいい春の風と共に、とても甘く心地のよい匂いが漂う。
あの日、かなり汚れていて分からなかった彼女の姿は想像以上に可愛いらしく、俺の胸はあの日よりもさらに騒がしく大きな音を立てる。
見た目なんて正直どうでもよかった。むしろ失礼だが期待はしていなかった。それでもいいと思うほど、あの日の彼女に俺の心は一瞬で持っていかれた。
だけれど、そんな俺の予想さえも裏切る彼女は、誰もが見蕩れてしまうようなあまりにも可愛いらしすぎる容姿の持ち主だった。
リリィ・ロゼッタ……想像以上だ。



