そんな中、私は池に飛び込んだ目的を思い出す。
はっ……!そうだった!申し訳ないけどギル様に構っている暇はないんだった……!
子猫ちゃんは、どこ?!無事だよね?!
目的を思い出した私は、慌ただしく後ろに体を反転させると周囲をキョロキョロ見渡した。
すると、少し先で溺れる子猫を見つけた。
「た、大変っ!!早く助けなきゃ!!」
だけれど、大量の池の水を吸い込んだ重たいドレスのせいでなかなか前に進まない。
「あぁ……!これだからドレスって嫌だっ!なんでこんなに動きにくいのっ!!」
私は後ろにギル様がいるという事を忘れて、ドレスにブツブツと文句を言いながら、思いっきりドレスを脱ぎ捨てた。
ドレスの下はシュミーズという私たちの時代で言うと、白いキャミワンピみたいな下着を下に着ているから大丈夫っ!
本当はドレスを脱ぎ捨てるなんて絶対にダメなんだけどね?この世界では、肌を露出する事はいいものとされていないから、きっとルリにまた怒られちゃうな。
だけれど、そんなこと言ってられないよね?
後ろにいるギル様に驚きの目で見られてることを知らない私は、身軽になった体で急いで溺れる子猫に駆け寄ると慌てて抱き上げた。
すぐに子猫の体をあちこち確認したけれど、なんとか無事のようだ。
「はぁ……無事でよかったぁー、怪我も無いみたいで安心した……」
私はホッとすると子猫に、ふわっと安堵の笑みを浮かべた。
そして、安心した私はあることを思い出す。
「あっ!そういえばっ!」
一緒に池に落ちたギル様のことを思い出した私は、くるっと後ろに振り返る。
そこにはまだ池の中で呆然としているギル様がいて、私は子猫を助けられた事が嬉しくて大きく手を振りながら報告をする。
「ギル様ぁ〜!!!子猫ちゃん無事でしたよ〜!!」
「……」
上機嫌な私は、露出した肌が泥や藻で汚れていることなんてすっかり忘れていて、キラキラとした満面の笑みを浮かべた。



