遥が千雅に自分の気持ちを告げてから一週間。
遥は朔にどう話したらいいのかわからず、時間だけが過ぎていた。
自分の椅子でうずくまる遥を葵は心配そうに見つめる。
「遥、あの状態から何日経った?」
「一週間くらいかなぁ、だいぶ前から色々悩んでるみたいだったからぁ」
「あれは相当きてるよな……」
葵も由乃も拓真も、余計なことは言わずにずっとその様子を見守っていた。
理由ははっきりとは聞いていない、でも朔と千雅のことなのは三人の様子を見てわかっている。
だから、余計な口は挟まない。
「そういえば千雅も最近はるちゃんの側に行ってないよな?」
隣の席で頬に腕をつき、伏せ目でスマホを眺めている千雅に拓真は聞く。
「……気持ち整理してる」
「……振られたとかじゃないよな?」
「……」
「…………まじごめん。」
「うっせぇ……」
いつもより口の悪い千雅に拓真は驚愕した。
「ち、千雅の口が悪い!」
「拓真……あんた少しは空気読みなさいよ」
葵が呆れるようにため息をつく。
「そうだよぉたくちゃん。千雅ちゃんにそんなこと聞くなんてぇ」
「……いいよ、別に」
千雅は、まだいつも通りに戻れなかった。
遥に声をかけたい気持ちはあるのに話しかけたら今は好きが溢れてしまいそうで。
堪える自信がなかった。
拓真は千雅の背中を優しく叩く。
「辛いな」
拓真の言葉は優しく心に染み込んできて、千雅の心を締め付ける。
「……っ」
千雅は伏せ目のまま、静かに涙を堪えた。
————————————
放課後になっても遥はまだ教室にいた。
なんて伝えようか考えてまた1日が終わる。もう一週間だ。
朔はもう教室にはいない。
遥は複雑な顔で座ったまま動けなかった。
背後から急に話しかけられる。
「朔に言わないの?」
「……千雅」
覇気のない顔で笑う千雅がそこにいた。
家での出来事から初めての会話。
いつも通りでいようとしてくれている千雅に、遥もいつも通り答える。
「うん……。どう、伝えたらいいかわからなくて」
「……朔に告白されたんでしょう?」
「うん……。」
「じゃあ難しく考えないで、そのまま気持ちを伝えたらいいよ」
「そのまま?」
「そのまま、それだけで十分伝わるよ。遥はいつも悩みすぎ」
千雅は優しく微笑んだ。
「早くしないと、僕が遥を無理やり奪っちゃうよ」
「なんてね」と冗談のように千雅は遥を励ました。
千雅の優しさが遥に伝わる。
「なんで千雅はそんなに優しいの?」
自分は千雅を傷つけたのに、と遥は視線を落とす。
「僕は何度も言ってるよ。遥が好きだから。優しい理由なんてただそれだけだよ」
「……好きってすごいね」
「うん。すごいんだよ」
千雅は優しく微笑む。その表情はとても幸せそうで。
私もこんな風に笑える時が来るんだろうか。
「……朔っていつ帰ったんだろう」
「ちょっと前だから、まだ追いかけたら間に合うと思うよ」
遥は鞄を掴み、走り出す。
教室を出る前に振り返り、叫ぶ。
「千雅!!!ありがとう!!!」
走り去って見えなくなった遥の背中に向かって小さく千雅は言葉を送った。
「頑張れ」
千雅の表情は遥を想う優しさで溢れていた。
遥はできる限りの速さで朔を追いかけて走る。
遥は朔にどう話したらいいのかわからず、時間だけが過ぎていた。
自分の椅子でうずくまる遥を葵は心配そうに見つめる。
「遥、あの状態から何日経った?」
「一週間くらいかなぁ、だいぶ前から色々悩んでるみたいだったからぁ」
「あれは相当きてるよな……」
葵も由乃も拓真も、余計なことは言わずにずっとその様子を見守っていた。
理由ははっきりとは聞いていない、でも朔と千雅のことなのは三人の様子を見てわかっている。
だから、余計な口は挟まない。
「そういえば千雅も最近はるちゃんの側に行ってないよな?」
隣の席で頬に腕をつき、伏せ目でスマホを眺めている千雅に拓真は聞く。
「……気持ち整理してる」
「……振られたとかじゃないよな?」
「……」
「…………まじごめん。」
「うっせぇ……」
いつもより口の悪い千雅に拓真は驚愕した。
「ち、千雅の口が悪い!」
「拓真……あんた少しは空気読みなさいよ」
葵が呆れるようにため息をつく。
「そうだよぉたくちゃん。千雅ちゃんにそんなこと聞くなんてぇ」
「……いいよ、別に」
千雅は、まだいつも通りに戻れなかった。
遥に声をかけたい気持ちはあるのに話しかけたら今は好きが溢れてしまいそうで。
堪える自信がなかった。
拓真は千雅の背中を優しく叩く。
「辛いな」
拓真の言葉は優しく心に染み込んできて、千雅の心を締め付ける。
「……っ」
千雅は伏せ目のまま、静かに涙を堪えた。
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放課後になっても遥はまだ教室にいた。
なんて伝えようか考えてまた1日が終わる。もう一週間だ。
朔はもう教室にはいない。
遥は複雑な顔で座ったまま動けなかった。
背後から急に話しかけられる。
「朔に言わないの?」
「……千雅」
覇気のない顔で笑う千雅がそこにいた。
家での出来事から初めての会話。
いつも通りでいようとしてくれている千雅に、遥もいつも通り答える。
「うん……。どう、伝えたらいいかわからなくて」
「……朔に告白されたんでしょう?」
「うん……。」
「じゃあ難しく考えないで、そのまま気持ちを伝えたらいいよ」
「そのまま?」
「そのまま、それだけで十分伝わるよ。遥はいつも悩みすぎ」
千雅は優しく微笑んだ。
「早くしないと、僕が遥を無理やり奪っちゃうよ」
「なんてね」と冗談のように千雅は遥を励ました。
千雅の優しさが遥に伝わる。
「なんで千雅はそんなに優しいの?」
自分は千雅を傷つけたのに、と遥は視線を落とす。
「僕は何度も言ってるよ。遥が好きだから。優しい理由なんてただそれだけだよ」
「……好きってすごいね」
「うん。すごいんだよ」
千雅は優しく微笑む。その表情はとても幸せそうで。
私もこんな風に笑える時が来るんだろうか。
「……朔っていつ帰ったんだろう」
「ちょっと前だから、まだ追いかけたら間に合うと思うよ」
遥は鞄を掴み、走り出す。
教室を出る前に振り返り、叫ぶ。
「千雅!!!ありがとう!!!」
走り去って見えなくなった遥の背中に向かって小さく千雅は言葉を送った。
「頑張れ」
千雅の表情は遥を想う優しさで溢れていた。
遥はできる限りの速さで朔を追いかけて走る。


