『恋愛ってなんですか?』

 公園からの帰り道、私は頭の中でさっきの出来事を振り返る。

 いつの間にベンチで寝ていたのか。
 本当に夢だったのかすら、分からない。

 私はいつの間にか握っていた青い花を見つめ、考える。
 あり得ない。夢が現実になるなんて。それなのに、この花が私の考えを悩ませる。
「……この花、名前なんていうだろう?」

 私はスマホを取り出して花の写真を撮り、検索する。
 
「勿忘草……花言葉は、『真実の愛』『私を忘れないで』」

 
 あの子達は、私に覚えていて欲しかったのかな。
 こんな考え、非現実的すぎる。
 
 ……でも、あの時間は確かにあった。私はそう思わずにはいられなかった。

「……はぁ」
 
 深く、重い息を吐く。

 私は臆病者で意気地なし。

 誰かを好きになって、傷付くことになったら……。
 付き合えたとしても、うまくいく可能性はどれくらいだろう?
 私はその先を考えるのが怖い。

 何もしない方が傷付かなくて済む。
 好きにならなければ、傷付くこともない。
 私は母のように感情に揺さぶられ、振り回されたくない。

 その考えは、今も私の中にある。
 
 でも、それ以上に、君を想う気持ちが大きくなっていく。
 私はそれが怖かった。受け入れることが怖かった。

 今はその恐怖以上に、君の隣に居るのが、私じゃない方が怖い。
 答えは出ていた。
 
 だから、ちゃんと伝えなくちゃ。
 

 
 私は千雅の恋人にはなれない。